Sea of Tranquility

しずかのうみ

猫まとめ

乳がんで何度も手術したルナっちが14歳まで長生きしてくれて、もしこの世にペットの神様というものがいるのならご恩返しをしなくてはな…と思っていた私は、もし今後、迷子の犬や捨てられた仔猫を見つけたら飼い主さんを探してあげよう!とちょっとだけ心に決めていました。 ダンナからは「そういうことはルナっちが天寿を全うしてからやるもんだ」と説教されたんですが、まあ、今回猫を保護したロジックはそんなところでした。 「イイコトしよう!」と決意したところで、日常生活でそうそうかわいそうな動物に出会うチャンスもないですけどね。通勤は車だし。別に「絶対やる!」とはりきっていたわけでもないし。

そんな私が「これから動物病院にルナっちをお迎えに行くんです~」なタイミングで猫に出会ったら… 拾っちゃいますよねえ~。 最初はダンナから「病院で預かってもらえないのか?」と迫られ病院に泣きついた私ですが、さすがに感染症持ちの子は預かってもらえず。病院ってのはただでさえ仔猫や高齢猫や病気の猫が来るところだもんね。みんな抵抗力弱ってるんだろうし…。 ちなみにあの子達が罹っていたと思われる病気は、猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペスウィルスが原因の、通称猫風邪?元気・食欲の減退、発熱、鼻水、目やになどの症状が出て、体力のない仔猫が物を食べられないほどになると脱水や衰弱を起こして死に至ることも。)またはカリシウイルス感染症(カリシウイルスが原因で、猫風邪と似た症状も出るが肺炎を起こすタイプの場合、仔猫なら死に至ることも。)…のどちらかまたは両方でした。先生からは実は病名こそ宣告されなかったものの「この1週間くらいで治るはず(だけど治らなかった場合は…)」と言われ、「もし本当にヤバくなったらその時は預かるから」とも言われました。つまり、病院に預ける時は肺炎か脱水症状を起こした時ということです。

そうなると「なんとしても病院へは預けまい」とムキになる私。 毎日がんばってインターフェロンを投与し続けました。 この子達は、拾った当初から人間も自動車も犬も怖がらない子達でしたが、目薬を差しても暴れることなく、本当に飼いやすい子達でしたねえ…。 目薬を差す前に目やにと鼻くそを濡らしたティッシュで拭き取ってあげていたんですが、最初は「いやーん」と顔を背けていたのが、3日もすると「拭いてもらうと異物がなくなって快適」と学習したのか、目を閉じて気持ちよさそうに拭かれるようになりました。 治りかけたと思った頃に再燃して、目やにと鼻水がだーだー出てしまったこともありましたが、そこを乗り越えたらどんどん元気になってきて、すくすく育ってくれました。

不思議なんですけど、拾ってすぐの小さい仔猫なんて怖くて洗えなかったのでしばらく放置していたのに、毎日ちゃんとごはん食べて、外敵のいない (いなかったわけでもなかったかもしれないが(爆)安全な場所で寝起きしていると、なにもしなくても猫の毛ってふっくらしてくるんですね~。 慣れてきてからはうんち踏んだりしてくれたのでしょっちゅう洗ってました。洗うと毛がぺしゃんこになってネズミみたいに貧相な体でした。 ふっくらしてくるとかわいくなってきて、実際、里親探しボラの人たちが里親に厳しい条件をつけまくっているのを見て「あそこまでやらなくても…」と思っていた私でも「ここまでかわいく育ったんだからものすごくいい里親さんを探さねば!」と思うようになってきたりもしていました。なんと現金な。 当然?最初はぶーたれていたダンナも日に日に猫の魅力に取り憑かれ、洗面所を通る度にそれこそ猫なで声でなにか話しかけるようになりました。危ないヤツ…。 「いいお家探さないとね(でも見つからなかったら家で飼う)」みたいな暗黙の了解が流れ始めた頃、今回の里親さんに巡り会いました。 これもご縁だったのでしょう。 もっと渡すのが惜しくなってしまうかと思ったけど、今は不思議なくらいさっぱりしています。 洗面所に入る時に少し緊張してしまうけど。

ところで、ルナっちとの関係ですが、ペットコミュニケーションでも言われたのですが「ずっといるならいるで、ちゃんと決まれば覚悟するみたいよ」ということだったようです。 飼い主が決心しきれなかったのでルナっちにも見切られてしまっていたのでしょう。 でも、初日は同じ車の前席後席に分かれて乗っているだけでギャースカ喚いていたのに、最後はそばを通っても知らんぷりできるようになってものすごい進歩です。最初は心配しましたが、結果としてルナっちにもいい刺激になっていたのではないかな。

というわけで、3週間にわたる猫生活が終わりました。