Sea of Tranquility

しずかのうみ

エスター

エスター [DVD]

エスター [DVD]

エスター」(原題「Orphan」)を観てきました。

カテゴリとしてはサイコスリラーでしょうか。 最終日だったので駆け込みで観てきました。 一番恐れていたのは、映画館が貸し切りになってしまうこと…。 でもさすがにそれは回避できました。 とはいえなんだか微妙な客層…。 40代後半から50代後半くらいの、マニアっぽい人も普通っぽい人も取り混ぜたおじさんたちが4~5人単独で観に来ていたのですが、その光景に一番違和感を覚えました。 あとはカップルが一組と、比較的若い女性二人組と、比較的若くない女性二人組。暗くなってから入ってきた人は個体識別できなかったので、私が把握しているだけならこんな感じ。 一人で来てるオバサンは私だけでした。

そのものズバリのネタバレはしないつもりですが、演出面などにコメントするので興味のある方は続きでどうぞ。

結論から言うと、怖かったです。 恐怖映画って、観続けていると耐性ができてびっくりしなくなってくるんだけど(それもどうかと思うが)、しばらく離れてるとちょっとしたことが飛び上がるほど怖く感じるようになるのよね。尺が長いというのもあるんですが、恐怖映画を劇場で観ていて、緊張感に耐えきれずに途中で退出したくなったのは初めてでした。 あと、やっぱり子供や小動物といった小さきもの、か弱きものが出てくるホラーやスリラーはいやだね~。観ていて余分にドキドキしてしまいました。

あらすじは

3人目の子どもを死産したことがトラウマとなり、自らを責め、家族に八つ当たりするなど荒みきった生活を送るケイト(ヴェラ・ファーミガ)は、このまま悶々と悩み続けるよりはと、失った子どもの代わりに愛情を注ぐ対象として親のいないかわいそうな孤児を引き取る決心をする。選ばれたのは孤児院でも他の子どもと交わらずに物静かに過ごす知的な美少女エスター(イザベル・ファーマン) 。しかし知性や行儀良さとは裏腹に、エスターは自分の目的のためなら人を陥れ、傷つけ、時には命を奪うことすら躊躇しない歪んだ人格の持ち主だった。

以上、自分でシネスケに書いたものをまんま貼り付けてみました。 他の映画評論ブログなどを読んでいると、「いくら死産だったからって聴覚障害もあるまだ小さい娘がいるのになぜ養子?」というところで萎えてしまったというコメントがいくつかありました。まあ確かに物語の進行上とは言えぐだぐだ悩みすぎの感は否めないにしても、ケイトの中で子供の死をうまく消化できずにイライラし続けている状況がしつこいくらいによく描写されていたので、エスターが来ちゃったことについて特に疑問には感じなかったです。 その上彼女はアルコール依存症の罹患歴をもち、それが耳の聞こえないマックスを池に転落させる遠因になったという伏線もあり、ケイトが精神的にじわじわと追い詰められていく過程は丁寧に描かれていて抜けがありません。 対する夫のジョンは10年前の浮気くらいしかネタのない凡庸な存在として描かれています。

タイトルロールのエスターは、登場した時点で既に「何か企んでいる」感がありありと伺えてそこでまず観客はミスリードされるのですが、「オーメン」のダミアンなどのような残虐性を持った絶対悪ではありません。 予告編などを観ていると、いかにも残酷な子供が遊びで人を傷つけて楽しんでいるかのような印象を持ってしまうかもしれませんが、エスターの悪事はひたすらある一つの目的を達成するためであり、それを邪魔されないための予防線であり、起こしてしまった悪事を隠蔽するための事後工作であり、手口自体は稚拙で生ぬるいものです。 彼女の「事情」は終盤で語られ、主演のイザベル・ファーマンが熱演しているのですが、タイトルロールとはいえエスターは単なる狂言回しという役割から逃れることはできず、渾身の演技も(少なくとも私は)たいした感慨もなく流し観してしまいました。

さて…気になったところいくつか。 ・いじめっ子の女の子、あそこまで執拗に描かなくてもよかったかな?確かにこの子の事件が一つの発端にはなったんだけど、もっとさらっと手を下してもよかったような気がする。どうしてあの子はびくびくしながらもエスターを探し歩いてしまったのだろう。あそこへ行かなければあんなことにもならなかったのに。と思わせてしまうようではイマイチかな。 ・エスターが自らの腕を折るのですが、手首には見られてはならない何かがあって、それをいつもリボンで隠しているのに外科で診察・治療なんて受けたらバレちゃうんじゃないの? ・冒頭、Warner Bros.やダークキャッスルのロゴからしてこの映画仕様とは、終わってからわかるびっくりだ。

クライマックスまで観た時点での感想は… こういうの昔の少女漫画にあったじゃん。でした。 でも、制作陣に名を連ねるディカプリオも「何度でも観たい映画」と評していたように、結末を知った状態でもう一度観たらいろいろと違う物が見えてくるかもしれない。 そんな気分にさせられました。 とりあえずホントに怖かった。怖いというか、スプラッタな残虐シーンはほとんどないんだけど、緊張感をずっと持続させられました。はー、疲れた。