Sea of Tranquility

しずかのうみ

夏への扉

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

中学生くらいの頃からSFを読み始めて、その当時既に古典だったこの本も読もう読もうと思いながら、なんとなく表紙の猫にあざとさを感じて後回しにしてきましたが、Kindleで安くなってたというだけの理由で購入。 新訳版もあるらしいのですが、あえて福島正実訳を選びました。 全ての表現がレトロスペクティヴ。 説明調の表現がまだるっこしくて、読み進むのに苦労する箇所もありましたが、中盤以降の怒濤の展開は見事でした。もちろん「時間旅行」という概念自体がSFといえどもあまりに非科学的で説得力はほとんどないんですが(特に一度過去へ戻るところとか~)空想を楽しむというSFならではの醍醐味がありました。 でもちょっと女性キャラクターの扱いには不満が残ります(笑)

中学生の頃読んでいたらあまり興味が持てなかったであろう人物、物理学者のトウィッチェル博士に興味を持ったのも、この年齢になってから読んだからなのかな。

測定のできないものが、どうして科学といえるか