Sea of Tranquility

しずかのうみ

パシフィック・リム

パシフィック・リム [Blu-ray]

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声優オタクの友達と、吹き替え版IMAXで鑑賞。 「正しい怪獣映画」です。 ギミックなどはとてもよくできていたし、作り込みがすごい。元祖日本の怪獣映画ファンが驚喜しつつ、「日本の特撮は何をやっているんだ」と歯がゆく思うのもうなずけます。 ストーリーもさほど単純明快というわけではなく、登場人物それぞれがもつ過去が現在の彼らの在り方に深くリンクしていて、過去の清算を行うことで自分自身が成長していくというような展開で、なかなか引き込まれました。対怪獣兵器として開発された「イェーガー」という人型戦闘マシン?は操縦システムと操縦者の神経組織を直接接続するので操縦者への負担が大きく、そのため二人以上でチームを組んで搭乗することになっているのですが、操縦者同士も互いの神経を繋ぐため、記憶や意識を共有せざるをえない。そこで彼らの過去がクローズアップされることが多くなるわけですね。戦闘シーン以外の部分にある程度の深みを持たせることには成功していた感がありました。

科学者に感情移入しがちな私としては(笑)討伐チームで怪獣の生態や出現頻度を研究している、ケンカばっかりしている生物学者と数理学者のコンビについ注目してしまいましたが、彼らが理論を振り回して現場を混乱させる役回りだけではなく、実際に体を張って自分たちが立てた仮説を立証し、最後にちゃんと結果を出すところに深い感銘を受けました。そういう描かれ方をされていたことが、この映画全体にとってもすごくいい効果を上げていたと思います。