夏スクⅡ期の哲学で勉強した進化心理学、道徳哲学の流れで、ちょっと興味を惹かれた内容だったので手に取りました(借りた)。
サミュエル・ボウルズとハーバート・ギンタスはラディカル経済学の研究者として有名だったんですね。そもそも経済学に疎くてわかっていませんでした。この本では、進化生物学などもがっつり引用しながら、なぜ人間が利他的行動をとるのかという点について経済学の視点からかなり詳細にまとめられています。
グラフがたくさん出てくるのでそこはするっと読み飛ばしました…。
ゲーム理論を用いた実験や考察もたくさん出てきてそこは面白かったです。(小学生のような感想…) 数理モデルも使われていて、少し難解かもしれません。少しじゃないか。
かつて心理学をやっていて今は哲学をやっている(うわなんかかっこいいな。中身は伴ってないのに)立場からすると、この表現はちょっと????とか、これどこから持ってきたんだ????と思うところもあり、そこを翻訳でも補完されていないので、ちょっと不満。
そのへんは翻訳された北大の高橋先生、竹澤先生からも、著書自体に瑕疵があるのだろう、というコメントがありました。
とにかくすごいボリュームなので、一度では読みこなせず、時間のあるときに再読したいです。買ってまで読まないと思うけど…。
行動経済学とか新マルクス主義とかやってる経済学部民、挑戦してみてはいかがでしょうか…。三田の図書館にありますよ。
- 作者: サミュエル・ボウルズ,ハーバート・ギンタス,竹澤正哲,高橋伸幸,大槻久,稲葉美里,波多野礼佳
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2017/01/31
- メディア: 単行本
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