Sea of Tranquility

しずかのうみ

ドクター・スリープ(映画版)

Netflixで配信されるようになったので観ました!

www.netflix.com

配信が始まったのって9月に入ってからだったんですよ。なんだかこうなることを見越して原作を読破したみたいになりました。私にも微量ながら「かがやき」が…?

原作との最も大きな違いは、アブラの人種がネグロイド系になっていたこと。アブラ役の子かわいいし賢そうだからいいんだけど、違和感はありました。

この映画は原作とキューブリック版のハイブリッドなので、最終的にはキューブリック版の前作に決着をつける方向に話が動いていきます。そのため原作では丁寧に積み重ねていたトゥルー・ノットとの関わりがいまひとつ薄くなりました。ただこれだけ薄くしても上映時間が2時間を超えているので、これ以上原作に寄せるのは無理だったと思います。キングは細部を描き込みすぎなんだよね…。

私としては、クロウ・ダディとアブラが二人で行動していた時のドキドキ感なんかがすごかったので、そこがあっさり終わってしまったのが残念。

あとは、主人公のダンが幽霊や超能力以上に自分の意志の弱さと戦って勝つ過程もほぼオミットされてしまったので(ほんの数分間のシークエンスのみだったし、あれくらいなら本編にはほぼ影響なかったしダルトン先生もほとんど活躍してなかったんだから入れなくてもよかったんじゃないのか)原作とは重みが違うものになっていたと感じました。

ラスト近くでダンはやっぱり飲酒癖と戦うんだけど、そこは別にアルコール依存症患者支援団体のエピソードがなくても話としては成立してたと思うし。

オーバールックの楽しい仲間たちも出てきますけど、明るい場所で見るとちょっと興ざめ(笑)

とはいえ廃墟となったオーバールックホテルが、ダンの帰還を待っていたかのように息を吹き返し始めるあたりにはほどよい緊張感がありました。ラスボスはホテルで、ローズ・ザ・ハットは中ボスに成り下がってしまったけどね。雪の中の迷路のシーンはよかったかな。

アブラとダンの関係という伏線もなかったことになってしまったので、『ドクター・スリープ』というタイトルが浮いてしまった形になったのも残念でした。もっともあの伏線は原作を読んでいても唐突でびっくりしたんですが…。

パパはバーテンで出てきたけど、原作はもっといい役回りだったんだよ。

そこは原作を拾ってほしかったかなあ。

『シャイニング』を観て、読んでいないとピンとこない部分が多いので、ぜひセットでどうぞ!どちらも楽しめましたが私はやはり原作の、キングのしつこい描写が好きです。

ただ、この映画では原作で描かれていなかった部分(ダニーのかがやきがそんなに強いなら何百年も生きているトゥルー・ノットに見つかってないはずがないとかそういうところ)はきっちり拾ってあって、そこはよくできていると思いました。トゥルー・ノットが死ぬ?ところの特殊効果もよくできてた。

ドクター・スリープ(字幕版)

ドクター・スリープ(字幕版)

  • 発売日: 2020/01/30
  • メディア: Prime Video