Sea of Tranquility

しずかのうみ

魔女の秘密展

現在東京(ラフォーレミュージアム原宿)で開催されている「魔女の秘密展」に行ってきました。

実は去年、新潟で開催されていた時に行くつもりだったんですが、家族が入院してしまったりして、前売券まで買ったのに行けずじまいでした…。

数ヶ月越しのリベンジです。

たまたま近所であった別の予定からの移動時間を使うという、ちょっときつきつなスケジュールでしたが、ラフォーレだからそんなに広くないはずと踏んで強行しました。今週いっぱいで終わっちゃうんだもん。

わたくし一昨年の夏休みはウィーンの犯罪博物館、昨年の夏休みはローテンブルクの中世犯罪博物館へ行きまして、どちらでも魔女裁判や拷問の展示を散々観てきましたので、さすがにもういいかなーとも思ったんですが…。

行ってみたらそこになかった分野の展示もあって(プロテスタントの男性と結婚しようとして兄に切り落とされたカトリックを信仰していた女性の手、とかですね)楽しく…楽しく?観ることができました。子供でもわかるように、要所要所に平易な表現で振りがなつきの解説が掲示されているんですが、子供に拷問器具見せるのか…?私みたいな大人になるぞ。あとはなぜか外国人俳優による魔女の告解、異端審問のムービーが再生されていて、そこは特に見る必要を感じずに素通りしてしまいましたが、ドイツ、オーストリア、フランスなどから、「薬を調合するのに使った道具」とか「奇形の猫や牛のホルマリン標本や剥製」とか「子供の落書きみたいな絵、でも拷問風景」とか、よくぞここまで集めた!と思うような小物から、トゲトゲのついた椅子や魔女が処刑時に着させられた服のレプリカ、爪を切る魔女の彫像、アルブレヒト・デューラーの怖い絵などの大物(絵自体は小さいんですけどね)まで、ある種何でもありな感じで展示されていました。まあでも鉄の処女はなかったので、見たい方はローテンブルクまで行ってください。ミュンヘンから急行でも2時間くらいです。

個人的には、オーストリアの修道院や教会、大学から色々持ってきていたのがすごいなあと。あとオーストリアってニッチな博物館多いんですよね。今回も薬品・薬局博物館などというマニアックな施設の存在を知りました。ウィーンの博物館については後日ご紹介したいです。

さすが日本での展示ということで、現役漫画家さんたちによる魔女のイラストも数点展示されておりました。学術的、史料的な価値がものすごいはずなのに、場所柄もあってかゴスロリ風味満点になっていたのも、それはそれで興味深かったです。

ミュージアムショップにはタロットカードセットとか水晶とか売られてたしね(笑)

こういう展示を見ていつも思うのは、得体の知れない事象や納得のできない事柄を、立場の弱い人のせいにすることの卑怯さや、ろくに情報も得ずにわかりやすい解決に流れる安易さですね。今も似非科学に翻弄されている人たちを見ていると、科学の進歩ってどこまで行けばいいんだろうな、なんて思ってしまいます。

実際にその時代に生きていたらそんなことも言えなかったでしょうが、見ているとサバトに飛行して行く(空を飛ぶための軟膏を塗るらしいです)魔女さんや怪しい薬を調合している魔女さんたちとても楽しそうに見えるので、私なら本当に魔女になっちゃってたかもなんて考えながら会場を出てきました。

あと、多分本国では写真撮影自由なはず(フラッシュ不可くらいの制限はあるかも)なのに、日本に来ると途端に撮影できなくなるのすごーく不条理ですね。図録を売りつけるのが目的だからか?

この後は福岡にも行きますので、お近くの方是非!