Sea of Tranquility

しずかのうみ

Entries from 2017-01-01 to 1 year

"ワーキングメモリの負荷が共感的反応に及ぼす影響"

今年読んだ一番好きな論文2017にエントリーしました。 今日の記事は私の好きな論文のご紹介となります。 adventar.or ご紹介する論文は ワーキングメモリの負荷が共感的反応に及ぼす影響 —二重過程理論に基づく検討— 石澤亜耶乃・島田英昭 (2014年6月 認知科…

ライプニッツ

先日、駒場でライプニッツ研究者の卵さんの発表を聴いて以来興味がわいたので、いきなり難しいものには挑戦せずにまずは伝記っぽいのから読んでみました。その前から数学史の本では読んでいたんだけど、哲学者としてのライプニッツにちゃんと触れるのは初め…

協力する種:制度と心の共進化

夏スクⅡ期の哲学で勉強した進化心理学、道徳哲学の流れで、ちょっと興味を惹かれた内容だったので手に取りました(借りた)。 サミュエル・ボウルズとハーバート・ギンタスはラディカル経済学の研究者として有名だったんですね。そもそも経済学に疎くてわか…

ダンケルク

第二次世界大戦、ダイナモ作戦の映画です。 wwws.warnerbros.co.jp ダンケルクはフランスの地名で、場所はフランス最北部のノール県。すぐお隣はベルギー。西フラマン語で「砂丘の教会」という意味だそうです。ダンはdune、ケルクはchurchです。Dunkirk をダ…

近代を生きる女たち

この夏はなんとなくドイツ史を勉強していました。(特に目的があったわけではないのでなんとなく、なのですが、内容は充実していましたよ) 近代を生きる女たち―十九世紀ドイツ社会史を読む 作者: 川越修,原田一美,姫岡とし子,若原憲和 出版社/メーカー: 未来…

本の寄り道

尊敬する翻訳家、鴻巣友季子さんが新聞・雑誌に寄稿した書評をまとめた本を読みました。 本の寄り道 作者: 鴻巣友季子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2011/10/08 メディア: 単行本 クリック: 19回 この商品を含むブログ (14件) を見る 新聞の書評欄…

帰ってきたヒトラー

劇場公開中に行きそびれて泣いていましたが、この夏やっと観ることができました。 ストーリーは、一言で言うと「現代に蘇ったヒトラーが、YouTubeやツイッターを通じてヒトラーそっくりさん芸人としてブレイクし、テレビ出演も果たすようになり、最終的には…

万能コンピュータ

なぜこの本を読もうと思ったのかまったくわからない… 万能コンピュータ: ライプニッツからチューリングへの道すじ 作者: マーティンデイヴィス,Martin Davis,沼田寛 出版社/メーカー: 近代科学社 発売日: 2016/12/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログ…

物理学者の墓を訪ねる

私が学者さんのお墓参りに行く時には、同好の士が書き残してくれた過去の情報を頼りにしているので、同じ趣味の人は少なくないんだなあとは思っていましたが、本にする人がいたとは。 物理学者の墓を訪ねる ひらめきの秘密を求めて 作者: 山口栄一 出版社/メ…

未來のイヴ

仏文のレポートに使いました。もうレポートも返ってきたし試験も終わったので書評解禁? ヴィリエ・ド・リラダン全集 第2巻 作者: ヴィリエ・ド・リラダン,齋藤磯雄 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 1977/04 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見…

レポート・論文をさらによくする「書き直し」ガイド

こっちに書いても読む人が限られているのでどうかなぁと思ったんだけど向こうではすでに言及しちゃってるので(いきなり言い訳から入る) 今回は後で読む自分のために、引用の範囲を超えずに、ちょっと詳しく内容を書いていきます。 内容の方向性 ブレイン・ス…

Hidden Figures

現時点で邦題変更中のため日本版公式サイトにアクセスできません。旧邦題は「ドリーム 私たちのアポロ計画」。新邦題は「ドリーム」になるそうです。 www.itmedia.co.jp 映画はアポロ計画より2年先行して始まったマーキュリー計画と、それに携わった3人の黒…

La La Land

"モアナ"は日本語では /モ]アナ/ でも英語だと /モア]ナ/ (あえてカタカナ表記にしています) そして、"ララランド"は日本語で /ラララ]ンド/ 英語では /ラ]ラランド/ 面白いですね! じゃなくて。 映画館で観ようと思っていたのに間に合わず断念していまし…

モアナと伝説の海

なぜかマッドマックスファンからマッドマックスだ!という評価を得ている作品です。実はマッドマックス未見なのでどのへんがマッドマックスなのかよくわかりませんでしたが、ここかな?と思って見ていたシーンがまさにそうだったようです。なるほど。 やたら…

美女と野獣

エマ・ワトソンが美しい…という評判を聞いて観てみました。 でも…うーん。 確かにきれいだけど、私が持っているベルのイメージからすると、ちょっと違うかなぁ。エマ・ワトソン自身も相当な才女のようですが、そこまで本好きに見えなかったところが惜しい。 …

リロ・アンド・スティッチ

リロ&スティッチ ブルーレイ+DVDセット [Blu-ray] 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 発売日: 2013/06/19 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (1件) を見る うちの犬、スティッチに似てるんです。 鼻ぺちゃ犬種じゃないのに、な…

古本市に行きました

通勤途中の乗換駅近くで年に数回開かれる古本市に行ってきました。 文学系、思想系、社会系、自然科学系、芸術系、みたいな感じで、並んでいる本を見るとなんとなくそのお店の得意分野がわかります。勉強中の哲学と、自然科学分野の本を主に探しました。この…

意味と必然性

哲学するわたくし。 意味と必然性―意味論と様相論理学の研究 作者: ルドルフ・カルナップ,永井成男 出版社/メーカー: 紀伊国屋書店 発売日: 1999/06 メディア: 単行本 クリック: 3回 この商品を含むブログを見る 可能世界意味論を調べるために借りたんですが…

英国産ファンタジーに用がある

何かの合間にちまちまと本をつまみ食いしています。何かとは何なのか。 英国ファンタジーをめぐるロンドン散歩 作者: 山内史子,松隈直樹 出版社/メーカー: 小学館 発売日: 2016/06/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 英国ファンタジーにちょっ…

モーセと一神教

ワークショップに参加するつもりで読んだのですが、私はフロイトという人についても(一応ウィーンのフロイト博物館には行ったことがあるけど)ユダヤ教についても旧約聖書についてもよくわかっていないので、これは単なるお客さんになって終わりそうだと思い…

高慢と偏見とゾンビ

お次はこれです。 高慢と偏見とゾンビ [Blu-ray] 出版社/メーカー: ギャガ 発売日: 2017/04/04 メディア: Blu-ray この商品を含むブログ (4件) を見る オースティン読んだのも実はこの映画を楽しく観るためでしたw タイトルの通り、18世紀イギリス文学の傑作…

高慢と偏見

もう一つのブログに書きたい内容なのですが、ちと差し障りがあるためこちらで…。 高慢と偏見(上) (光文社古典新訳文庫) 作者: オースティン 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2013/12/20 メディア: Kindle版 この商品を含むブログ (1件) を見る 正しい文学…

笑いと忘却の書

チェコで生まれ、現在はフランスで活動している作家、ミラン・クンデラの小説です。フランスに滞在しレンヌ大学で教えていた時に書かれたので初版はフランス語でした。原題は Le Livre du rire et de l'oubli 。チェコ語版は81年出版で、タイトルは Kniha sm…

鈴木孝夫の曼荼羅的世界

慶應義塾大学名誉教授である言語学者、鈴木孝夫先生の足跡を、専門である言語学はもちろん趣味のバードウォッチングに至るまで網羅した集大成、のような本です。というとちょっと大げさでしょうか。どちらかというと、過去に出版された論文や著書から漏れた…

国土地理院古地図コレクション

国土地理院古地図コレクション(古地図資料閲覧サービス)がリニューアルされて見やすくなったそうです。 天文図とか萌えますねえ。 試験勉強、フランス語だけやってます。 活用が覚えきらん。

狂気の巡礼

ホラー小説です。 作者のグラビンスキは最近になって、ポーランドのポー、ポーランドのラヴクラフト、といううたい文句で知られるようになりました。そう言っていいのかどうかわからないけど、と翻訳者の芝田さんはおっしゃっていましたが、それで知名度が上…

尊属殺人罪が消えた日

レポートの課題に関係があったので読んでみました。 今思うと、入学前に既にこんな記事を読んでいて business.nikkeibp.co.jp 事件の概要は大体知ってたんですよね。 この記事は担当した弁護士さんの息子さんに取材をしたもので、当時の様子もよくわかるし、…

ひとさらい

最近フランス文学づいてました。 過去にはサガンなんかを読んでみたことはありましたが、正直あまり印象に残っていません。 コレットの『青い麦』の方が好きでしたね。しかしフランス人って自由ですよね…。 ひとさらい (光文社古典新訳文庫) 作者: ジュール…

逆光 <上>

図書館で借りたのですが、期限内に読み終わりませんでした…。とりあえず上巻の半分くらい。 逆光〈上〉 (トマス・ピンチョン全小説) 作者: トマスピンチョン,Thomas Pynchon,木原善彦 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2010/09 メディア: 単行本 クリック: 6…

<動物のいのち>と哲学

「犬も飼ってるし動物好きだから〜♪」という理由で選んだわけではありません。 “動物のいのち”と哲学 作者: コーラダイアモンド,ジョンマクダウェル,イアンハッキング,ケアリーウルフ,スタンリーカヴェル,中川雄一 出版社/メーカー: 春秋社 発売日: 2010/07/…