Sea of Tranquility

しずかのうみ

レポート・論文をさらによくする「書き直し」ガイド

こっちに書いても読む人が限られているのでどうかなぁと思ったんだけど向こうではすでに言及しちゃってるので(いきなり言い訳から入る)

今回は後で読む自分のために、引用の範囲を超えずに、ちょっと詳しく内容を書いていきます。

レポート・論文をさらによくする「書き直し」ガイド

レポート・論文をさらによくする「書き直し」ガイド

 

内容の方向性

ブレイン・ストーミングをやってみる

論じたい内容が絞れているか

私もよくやるんですが、言及したい内容が多すぎる例。

一人ブレストをやってキーワードをたくさん出してそこから取捨選択することでポイントが絞れてきそうです。

問いと答え

文中で論じたい問いと答えが対応していない

レポートで何を明らかにしたいのかを明確にして、それに対する答えの形で文章を構築することで、問いと答えの乖離を防ぐことができます。

文章の目的

目的が不明確

何について書いたものなのか、文章の目的が不明瞭になると論点もぼやけてしまいます。書く範囲も目的が明確になることで絞られてきます。書く範囲が広がりすぎる私には耳の痛いお話。

立場の明確化

参考文献を読む

多くの文献から、自分の主張に適合する「立場」を見つけ出す

一つの論旨に対しても賛同・反論・中立などいろいろな立場がありますが、先行研究をよく点検して、どの立場からレポートを書くかを明確にする必要があります。自分の論旨を支える立場の文献をたくさん読むことが大切みたい。

問いの点検

問いが曖昧になっていないか、課題に即しているか

問い自体が曖昧なものだと答えも当然そうなります。また、課題とかけ離れた問いを設定してもいいレポートにはなりません。そりゃそうだ。

先行研究

先行研究は自分の主張の根拠となるものです

先行研究をふまえる、ということの意味が詳説されています。分析・解釈まで行けるとよさそうですが難しい。

他者の視点

キーワードの点検

語句の使用に自覚を持つ

キーワードをいろいろな言い方で言い換えてしまうと論旨がぶれます。使い分ける必要があるのかどうか自己点検を。カッコつけるなってことですかね。

語句を具体的に

「周り」「昔」「あまり」などの曖昧な表現がないかチェック

語句を定量化しましょう。指示代名詞にも注意。指示代名詞は確かに、何が言いたいのかわからなくなる要因の一つ。

比喩の点検

本質や文脈に合わない比喩になっていないか

これは日本語の語彙の問題ですね。辞書や用例を引きましょう。

文献の活用

個人的な主張は根拠レスになりがち

感想文ではないので、「私はこう思う」の背景には根拠が必要です。参考文献を活用して根拠を厚く。この項は文章が独りよがりにならないための注意点でした。

説得力

文の整形

主述関係がぶれてたり、主体が多すぎたりしていないか

書いてるうちに最初と最後で微妙に文意がねじれてきたりしますが、そこは厳しくチェックしましょう。一文一義(一つの文章には一つの事柄のみ)で。盛り込むとねじれがちですよね。

具体例の点検

具体例は明確で適切か

せっかく具体例を挙げても、それ自体が曖昧だったり文意に合っていなかったりでは説得力は得られません。ていうか曖昧なら具体例じゃないじゃん。

題の点検

題や副題のつけ方は適切?

内容に即したタイトルをつけましょうっていうことでいかにもあたりまえなんだけど、タイトルは内容が決まってからの方がつけやすいので、例えば学会に出す原稿などで提出期限が決まっていたりするときに、タイトルを修正できる期限を確認しておくとか、副題には全角ダッシュをつけようとか、ここはすごく具体的で勉強になりました。

表記が軽くなっていないか

カタカナ語・略語の点検

ルー語はダメですよってこと

どうしてもカタカナでないと表現できないもの以外は日本語で書いた方が。略語も多用すると誤解のもとです。

語句の定義

重要概念を指す語句には特に厳密になろう

よく使われる語句でも、解釈の幅があっては正確に読み取ってもらえないということですね。ここでは「バリアフリー」が例に挙げられていました。ポピュラーな用語ほど、ハードなのかソフトなのか、対象は誰なのかなどについて、意外と曖昧なまま書き始めてしまいそうです。

論理展開の一貫性

接続表現の点検

接続語の後の文章にも注意

これ、70期春組文学部特に文1は、入学式の後のオリエンで哲学専攻の上枝先生から厳しく言われましたね。哲学は接続詞の使い方一つにも拘れって。

接続語でつないで次の文章書いたけどその文意が使った接続表現から逸脱していることもあるので要チェックです。

段落の関係性を点検

段落間の関係性と、論点の並列

段落同士で均質な論点が並列できているか、論点を数える時に重複がないかなどのチェックをしましょう。

見出しの点検

抽象度と表現のチェック

せっかく見出しを作るなら、見出し同士の表現も揃えた方がよいし、抽象度が整っていないと読者が混乱します。

構成

三部構成

序論・本論・結論

この三部の構成とバランスが整っていることが大事。内容も吟味しましょう。本論の内容を序論で予告、結論で復習されていることが理想みたいです。序論と結論の一貫性も大事です。

パラグラフ・ライティング

一つのパラグラフに一つの主張

トピック・センテンスがパラグラフを統括する文になっていること

パラグラフ内にはトピック・センテンスに関わる内容だけ

トピック・センテンスをかいつまんで読むと全体の要旨になる

ということです。アカデミック・ライティングの基礎みたいなものですね。

パワー・ライティング

抽象度の高さによって文のパワーが決まる

パラグラフで一番言いたいことは抽象度が高いけどパワーが強い。その文の抽象度を補う形で、パワーの弱い文をつなげていく。これは初めて触れた考え方ですが、なるほどと思いました。しかし「抽象度」という概念がなかなか難しいです。

引用

適切な引用

出典を示す・剽窃に注意・リストを作る

これはみなさんできてますよね〜。

今のところ脚注方式で作ったことがないんですが、今後チャレンジしてみたいです。

ブロック引用

目的に応じた引用形式の選択

長文を引用するときはブロック引用で。なんですけど、あんまり引用ばっかりになっても自分の主張が薄くなるし、この辺の塩梅が毎回難しいです。引用しっぱなしでなく分析を含める方法として、引用部分のキーワードを再掲してそこから自説へひっぱる、というのを学びました。

参考文献リスト

APAとかMLAとかシカゴとかIEEEとか

毎回苦労してるからいいかげん身について欲しいのに、いつも「参考文献リストの作り方」を見ないと書けない…。

図表

題を適切に

図表にも題を

前の大学で心理学のレポートをやった時に叩き込まれました。図表にもタイトルと通し番号が必要です。題の位置にも正解があります。

図表と本文の関係

図表に導く案内文が必要とか、図表の解説、解釈も書きましょうとか

文学部ではあんまり使わない図表ですが(心理学、社会学、教育学では必要かな)履修科目によっては要求されるので、きっちり確認しておきたいです。

英語で書く時

英文要旨

研究目的・研究結果・結論までここに書く

アブスト読めば論文の内容が大体わかるっていうのが理想ですよね。タイトルの時と同じ理由で、アブストは最後に書くという研究者さんも多いです。200語程度のアブストを書くには、どういう配分になるのかということまで踏み込んで解説されています。

英文の題

英文要旨からタイトルをつけてみる

キーワードを用いる。

主題と副題はコロン( : )で分ける。

などなど。

英語参考文献リスト

APA、MLA、Chicago などなど

日本語文献を英文レポートの参考文献リストに掲載するときの書き方もあって親切です。

 

内容に触れすぎずに概要だけ書くのって難しかった…。ぜひ読んで欲しいと思ったのであえてぼんやりとしか紹介しませんでした。目次を見るだけでも「これは自分に足りてない!」と思うところが見えてくるので、ご参考になれば!