Sea of Tranquility

しずかのうみ

ホロコーストを逃れて – ウクライナのレジスタンス

昨年秋くらいから書こうと思って資料もそれなりに集めつつ他の科目を優先させてしまって中断していた西洋史のレポートを再開しよう !

ということで再度参考文献を集めはじめました。書くブログを間違っているような気がしないでもないですが…

ホロコースト逃れて―ウクライナのレジスタンス

ホロコースト逃れて―ウクライナのレジスタンス

 

レポートの課題として出されている時代とは微妙にずれていて直接引用できる箇所が少ないので感想はこっちに書いちゃおう。

ホロコーストってタイトルにあるのでお分かりかと思いますが、第二次世界大戦のお話です。舞台は、ポーランド領になったりロシア領になったりと長年翻弄されてきた、現在はウクライナリヴィウ州にある街。ウクライナ人とポーランド人とユダヤ人が混在してきた地域でした。ここにドイツ軍が侵攻してきて、ユダヤ人の強制収容を始めます。

主人公はポーランド人の女の子(今作の終わり頃には大人の女性に成長していますが)とユダヤ人とドイツ人。

この女の子のお母さんが卓越した正義感と行動力を持った賢い人で、自分と子供達を夫のDVから守って逃げ出したことに端を発し、最後にはナチスに迫害されるユダヤ人と、どうしても軍隊の行動に馴染めず脱走してきたドイツ兵を自分の家に匿い、生き延びさせるのです。生活力があって機転が利いて度胸があって、本当にすごい人。

でも主人公はお母さんではなくて娘なんです。このお話自体は実話を元にしたフィクションなのですが、語り手を本人ではなくて娘にしたのはうまいなあと思いました。匿う側の娘と、匿われる側のユダヤ人、ドイツ人視点で場面を切り替えながら、同じ隠れ家生活を描写しているのも巧妙です。作者は台湾出身でのちにカナダに移住した東洋人ですが、この実話をドキュメンタリー映画化したものを観て小説にすることを思いついたそうです。小説になったことで「よくできた」偶然が重なってみんなが助かったようになっていますが、本当はもっともっと大変なことだったんだろうなという想像力を忘れないようにしなくては、と思いながら読みました。

個人ブログ等の書評を読んでいると、舞台がヨーロッパなのにヤード・ポンド法が使われているのが興ざめというのもあり(作者がカナダ在住だったからなんでしょうけれど)、偶然が重なるドラマ的手法もあって、さほど学術的にもシビアな内容にはなっていませんが、この地方のことならどんなことでも調べておきたいという希望は叶えられたので、読んでよかったですね。

事前に何も調べずに図書館で手配したのですが、翻訳をされたのがうちの大学の先生だったのは少し驚きました。訳された先生は他にもホロコーストに関わる文献をいくつか手がけていらしたようです。

そういえば、最近こんな映画も公開されていましたね。

zookeepers-wife.jpこの映画の舞台はポーランドワルシャワだそうです。

動物が被害に遭うのは見たくないので、この映画を観る勇気がまだないのですが、もう公開されている劇場が少なくなってしまっているし、行った方がいいかな…。