Sea of Tranquility

しずかのうみ

本の寄り道

尊敬する翻訳家、鴻巣友季子さんが新聞・雑誌に寄稿した書評をまとめた本を読みました。

本の寄り道

本の寄り道

 

新聞の書評欄はとても限られたスペースなのですが、短い文章の中に作品の背景や同じ傾向の他作品の紹介、引用などが盛り込まれていて、筆者の深く広い知性を感じます。英米文学専攻ってこんなに読み込むんだ。すごい。という小学生並みの感想を抱く私。私もいつか本を読んで、「ああこれはいつか読んだシェイクスピアの一節を思い出させるなあ」なんて言えるようになってみたい…。

そんな風にうっとりしながら読了しました。

さて。新聞の書評欄は、先ほども触れたように小さなものです。

ということは、この一冊の本の中に、膨大な数の書評が掲載されているということなのです…。

鴻巣さんの文章を読んで「おおっこれ読みたい!」と思った本をリストアップしていったらすごいことになってしまいました。何年かかったら読み終えるんだろう?

ジャンルとしては、海外翻訳物のフィクション、ノンフィクション、それも英米語圏だけでなくギリシャ語ありタイ語ありロシア語ありと多彩です。そして日本文学、日本語ノンフィクション。

日本の作家は、割と固定メンバーな感じだったかな。女性作家も多かったかな。

私が苦手な村上春樹も、鴻巣さんに紹介されるとなんとなく読みたくなってしまうから不思議です。でもきっと読んだらやっぱり苦手なんだろうなあ。

何冊かピックアップした中から、まずはジェイムズ・ジョイスが読みたくなって、古書ですがぽちってみました。

私も鴻巣さんのように知的な感想が書けるといいんですが、まずは先入観なしに読んでみようと思います。

その次は、今まで避けてきたフランスの思想家についに挑戦…。

バタイユの『目玉の話』。(もともとの邦訳版タイトルは『眼球譚』なんですが最近新訳が出たのです)これ、相当アレなあらすじなんですけど。どきどき。