Sea of Tranquility

しずかのうみ

イカロス

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今年のアカデミー長編ドキュメンタリー映画賞を受賞した作品です。

アカデミー賞自体特に関心がなくて、ツイッターのタイムラインをぼーっと眺めていたんですが、受賞後にこの作品に言及していたのをチラ見したらすごく面白そうで、これは観ておくか〜、ということになりました。

現時点(2018年3月)では劇場公開はされていなくて、Netflixという動画配信サイトでしか観られません。お試し入会をして、さっそく視聴しました。

この作品の監督さんはアマチュアロードレーサー(自転車競技)です。ツール・ド・フランスでのグレッグ・レモンの優勝がきっかけでレースを始めて、自分とあまり年齢の違わないランス・アームストロングのドーピング問題がきっかけでドーピングについて考えるようになりました。

それで、アルプスの山の中を7日間にわたって走り抜けるHaute Routeというレースでの経験を元に

・ドーピングをしてもバレないのか

・ドーピングをすれば誰よりも速く走れるのか

という実験をしてみることにします。これがこの映画のそもそもの始まりでした。

しかし、効果的に効率よく安全にドーピングをするために依頼した研究者から一旦断られてしまい、代わりにオリンピック選手のドーピング検査にも携わっているロシア人研究者を紹介されます。

このロシア人研究者との出会いが、映画の方向性を変えてしまいました。アマチュア自転車乗りのドーピング実験から、国家ぐるみのドーピング隠蔽問題に。

 

ドキュメンタリーですが、撮影が綺麗だしロケーションも凝ってるし編集がうまいしで、よくできたドラマのように観られました。あまりにもドラマとして出来上がっているので、出てくる人が全員俳優ではなく実在の人物で、脚本なんてないんだということを忘れそうです。

国家首脳などの著名人も出てくるんですが、本物です。

時々iPhoneで撮影したっぽい縦長の画面になるのがリアルな感じでした。

本編にもセリフ?として出てくるんですが、スパイものの小説や映画みたいな展開で、その手のジャンルが好きな人には特に面白いと思います。おすすめです。