Sea of Tranquility

しずかのうみ

PHASE-48 新世界へ

まだ細部は見ていないのでさわりだけ。後で補完します。
しかしまたアバンがまるまる回想というか総集編ですかぁ。しかもなんだかとてつもなく昔のことまで出てきてびっくりしましたよ。今日を含めて後3話で終わるという局面でやるべきことでしょうか?いや、未だかつて本編の流れを一度もまとめてこずにここまで突っ走ってきて、このタイミングでやるというならまだわかる。しかし今まで何回総集編が放映されてきたかと…

構成力とか大人の事情に対してつっこむとレビューとしておとなげなくなるので、あまりそのへんには触れまいと思っているのですが、ここへきてこれではどうしても目についてしまいます。
ところではてなって本文中に見出しを設定するとそれをカテゴリに分類してくれるんで毎回入力してるんですけど、そうしているうちになんだか本編の内容と乖離した文字列に見えてきました。この作品に出てくる機体って、あんまり「機動戦士」じゃないような気がします。厳密には「ガンダム」でもないようだしね。いや、私はガノタじゃないんで「こんなのガンダムじゃない!」とか「やっぱりファーストよね」なんて思っていませんけど。

ラクス「すべての命は未来を得るために戦うものです。
 戦ってよいものです。
 だからわたくし達も戦わねばなりません。
 今を生きる命として。
 わたくし達を滅ぼそうとするもの。
 議長の示す死の世界と」

議長が示しているのがよしんば本当に死の世界だったとして…
なぜ彼がそんなものを提示してきたのか?っていう部分は考えないのでしょうか?
議長を除く全ての人間が未来や自分を失う死の世界。そこに議長が一人で君臨することにどんな意味があるのか?それについて誰か考えてみた人はいるんでしょうか?デスティニープランは世界を殺すとしても、全てが死に絶えた世界で残った人間はなにを思うのでしょうか?これは全人類を道連れにした壮大な心中なのでしょうか?議長はやはりクルーゼの正統な後継者だったのでしょうか?キラは前作でクルーゼに対して出せなかった答えを、今度こそ出さなければいけないのではないでしょうか?ストライクフリーダムもらって「これでまた戦える」とか言ってる場合じゃないんじゃないの?

思えばミーアも、なぜ彼女がラクスの替え玉なんかをやっていたのか、という点に関しては生前は完全に見過ごされてきました。その点にはまったく斟酌せず、ミーアが流れ弾に当たって命を落とした後に、彼女の抱えていた諸々の事情をいきなり酌み始めて涙を流す…それじゃ遅いんですよね。ミーアの存在はかなり初期の段階でわかっていたわけですから、なぜ議長がそれを黙認しているのかを突き詰めて調べていけば、黒幕が議長である何らかの痕跡も見つけることができたのでは?それでやっぱりアスランはせっかくプラント/ザフトにいたんだからそれを見極めるべきでした。後になって泣いても遅いですって。せめてそれ=後で泣いても遅い、を教訓にして残り数話に臨んで下さいよ。それで戦う理由に充分なるじゃないですか。議長の企みの真意とかそんなのはどうせ伏線張りまくった割には回収できずに終わるんだから、そこを深読みした根拠で戦っても今までの行動で培ってきた「痛い人たち」という先入観は払拭できないんですよ〜アークエンジェル〜。
議長もなにかせっぱ詰まったものを抱えて、このプランに行き着いたんでしょう。そこを見極めないことには、ここで議長個人を叩いても第二第三の議長が現れるでしょう。まあ一番もの悲しいのは、それを作品の神である製作者様たちがイマイチ考えてなかったというオチがついてしまった時ですかね。

ところで私は今作でキラきゅんけっこう好きになったんですけどね。造型がよくなったから。しかしあまりにも言動が薄っぺらいのでそこには失望しています。ラクスに対してストレートに愛情を示す所は本当に好感が持てるんですがぁ…行動の動機としても充分共感できるんですがぁ…今日なんて徹頭徹尾ラクスの意見を後追いして掬い上げて同意しているだけの受け身なキャラクターになっちゃってて、なんかもうがっかりなんです。