Sea of Tranquility

しずかのうみ

HELLSING OVA I

ついに原作1巻を読破したので再度書き直します。

とにかくアンデルセン神父を出すところまではたどりつきたかったと聞きますから、かなり端折ったものになってしまったのもしかたないのかな、と。確かに神父様を出さないと、OVA1巻としてのインパクトはかなり薄くなってしまっていたでしょうから…でもバカップルの話がかなりあっさり終わってしまってましたね。台詞の所々に既刊の最新巻に近いところからのフレーズが使われてたりして、最近原作後半を読み始めた私には違和感がぁ〜。
あと、「なぜセラスを仲間にした?」というくだりはやはりもう少し後に回してじっくりやって欲しかったっす。原作では、天涯孤独なセラスが吸血鬼になったのは必然だったのかもしれないと思わせる含みがたまんねぇ〜(含みだけだけどさ〜)だったのに、OVAではなんだかうやむやっつーか曖昧っつーか思わせぶりなだけでイマイチでした。
セラスが吸血鬼になったくだりは、夢オチみたいにせずに原作みたいにしっかりきっぱりギャグで落として欲しかった気もします。インテグラ様の素が見られる貴重なシーンでもあったわけだし…まあでも、難しいか…

OVA、原作にかかわらず個人的に一番気になっていたのは「初代ヘルシングはどこの国の人だったのか?」ということでした。アーサーよりも前のヘルシングのことですが、彼はアムステルダム大学の教授だったそうです。だからといってオランダ人とは限らないわけですが…もしかするとスウェーデンの人だったかもしれません。スウェーデンでは普通に名字としてHellsingとかHelsingとか使われているようです。いずれにしても英語圏ではなさそう。だからインテグラ様の名前はあんななのか…なるほど。しかしリチャードおじさんが「フロイライン」と連呼するのは、それをふまえても謎でした。
リチャードおじさんをしつこく描写するくらいなら、アーカードインテグラの出会いをGONZO版くらいに長い尺でやってほしかった〜。あの、アーカードの腕を支えにして銃を撃つシーンはなかなか好きだったんですよ!
今後回想シーンとかで入れてくれるといいなぁ。でももう今さらかぁ。インテグラが追っ手に追いつかれてしまうくだりは、GONZO版もOVAも割とさくさく進んでしまうのですが、原作みたいにひからびたアーカードに話しかけるような余裕があってもよかったかなぁ。
それにしてもGONZO版ではさんざん「やむにやまれぬ事情があって人間側についている」みたいなことを言い続けていたので、さぞものすごい事情があったのかと期待したのですが、普通に世襲制ってことでしょうか。
きっと初代ヘルシングがすごい人で、アーカードは未だにその時の「契約」みたいなものに縛られているってことなんだろうなぁ…インテグラは気丈な性格だし未知数だけど、前代未聞の化け物を御するほどの力を持っていそうな感じはしないんですよねぇ。

アンデルセン神父はとにかくすごかったですね(笑)若本ワールド全開でした。中田譲治は引きずられなかったんですかね(笑)あのシーン、セラスの首を貫いた銃剣はいったいどこから投げたの?という素朴な疑問が残るんですが…このへんもけっこうあっさり風味で、しつこいほどの攻防戦を描いたGONZO版の方がよかったかもしれないかもしれない。
GONZO版でできなかった部分を今後執拗にやってくれるんならいいんですが。なんか全然OVAの感想にならなかったけど、2巻以降に期待です。もりあがるのもここからですからね〜。楽しみ。勢いで2巻からは買っちゃうかもだよ。
リクエストとしては、飢えるセラスに「100%処女の血」を舐めさせるインテグラ様、の部分を是非是非入れて欲しい(笑)

音楽はGONZO版の評判が高いのですが、OVAは、それはそれで変に凝ってなくて私はいいと思います。GONZO版でAve Santaniのモチーフを使ったのは意図的なものではないかという解釈も読んだのですが、やっぱアカデミー賞まで取ったものの断片をほいっとくっつけられても安っぽくなるだけで効果はないと私は思っています。
エンディングは普通によかったですねぇ。あれはあれで似たようなのがあるような気もするんですが、あからさまになにかを切り貼りしていないっていうだけで安心して聴けました。ラテン語もちゃんとした(?)ラテン語だったし〜。合唱がうまかったもんなぁ。で、エンディング背景で、アーカード&ウォルターがかつてミレニアムと闘った時の描写が出てくるのが憎いですね〜。ああ、外伝も読みたい…

ところで7巻も読んだんですが!もう大変!8巻もOVA2巻も夏までお預けなんて私には耐えられません…。