Sea of Tranquility

しずかのうみ

STAGE13 シャーリー と 銃口

レビューの間が飛んでしまいましたが話がめちゃめちゃ動いているので書いちゃいます。ホントは先々週放映分から書きたかったんですけど!それは後で。

シャーリーパパの葬儀シーンでは各キャラクターが粋な小芝居を展開していて目を見張ります。事情を知られちゃまずいんだからつっこまれるようなこと言わなきゃいいのに、罪悪感にどーしても勝てずに謝ってしまうカレン。「なんでカレンが謝るのよ」とシャーリーがつっこみそうになると「俺も…掲示板に黒の騎士団カッケー!とか書き込んじゃったりして…」とうまく話をそらしてくれるちゃねらーのリヴァル。リヴァルが「黒の騎士団」というNGワードを出したのがトリガーになって、延々と黒の騎士団に対する怒りを表明し始めてしまうスザク。その上「間違ったやり方で出した結果は…」なんて言い出した日には、自分の弱みに頼ってまんまとルルの唇を奪ってしまったシャーリーにすら自責の念を起こさせてしまいます。「こりゃやばい」と察してさらっとその場を流すミレイさん。なにも口出しできない(というかユフィ以外興味がない)ニーナ。そして列の後ろでやさぐれているルルーシュ(笑)
スザクが損な役回りでしたが、うまい流れでしたね。しかし吉野さんはやり方変わってませんね(笑)以前の日記でも
迂闊なことを口走る登場人物を他のキャラクターがいさめて話を進ませるという違和感
について書いたことがありますが…昔から誰かに迂闊なことを言わせて、そこから話を進ませるという手法をとってきていらっさるようです。
もっとも、今回はスザクがベタな発言をしたことで、シャーリーの心の動きまで描写できたわけですから、多少グレードアップした感はありますね。
そうそう、リヴァルがブリタニア2ちゃんねらーなのはバレスレでバレ師さんが教えてくれました(爆)

ルルはその後シャーリーに謝られてさらに凹んだ状態で帰宅…そしてC.C.に追い打ちを掛けられ一人シャワールームで自虐モードに。しかしこの展開のおかげで彼なりに覚悟を決めたようです。しかし日本解放戦線を踏み台にしてコーネリアに迫ろうとするもまた出た白カブトの妨害によって(というよりヴィレッタに煽られて現場までのこのこやってきたシャーリーによって?)今回も失敗…
ルルーシュとスザクが違う立場で、違う思いで、同じような台詞を吐く演出は以前にもありましたが、今回のはまた熱かったですね。スクライドとか思いだした方もいらっしゃったのでは。

第1話から既にスザクに対して「自分に酔ってるな」という第一印象を持った私ですが、ここへ来てかなりそいつが暴走気味です。視聴者からはどさくさに紛れてキスを奪ったシャーリーの次くらいに嫌われているようですが、私はこういううさんくさいキャラが大好きなのです。少しスザクについて考察してみます。

ロイドに踏み絵と指摘されたスザクが、今後も日本人と敵対し続けることができるのか、という疑問があるようですが…
スザクはおそらく「日本人相手に戦うために」入隊したわけではなく、テロリストを排斥するために戦っていると(自分では)思っているんでしょうね。おそらくゼロのことも日本人だと思っていると思います。つまり、テロリストであれば人種国籍には関係なく排除する、というのが彼の趣旨です。
しかし実際には、ブリタニアの姿勢は「結果的にテロに荷担していなくても、怪しい日本人は問答無用で排除する」であり、彼にはそこが見えているのか見えていないのかが、こちらにいまいち伝わってきません。ロイドから見てもそういう部分があるので、踏み絵発言が出たのではないかな。
また、ある種「テロリストを排除するための作戦行動で間違って民間人が巻き込まれたとしても、自分の目に届かなければ知ったことない」みたいに割り切っている部分はあるかもしれません。ただし、自分の目の前で民間人が蹂躙されるのは許さないぞー、みたいな。このへんの矛盾が彼のうさんくささを助長しているんでしょうね。
彼があれほどまでに「正しい過程」にこだわるのも、間違った過程を経て得た一見正しい結果というものが今の彼に大きな影響を与えたのかな…。

しかしルルーシュブリタニアを壊す、と言いスザクは内部からブリタニアを変える、と言う。どちらもイレヴンを日本に戻すというところまでは考えていません。いくら実家とは絶縁したといっても、スザクがキョウトを思い出さないのは(思い出さないようにしているのかもしれませんが)不自然な気がします。キョウトの存在を思い出せば、帝国が崩壊または変容した後の日本の先行きのことだって無視はできないでしょうし…うーん。

あ、忘れてたけど今回からOPとEDの曲(と一部の映像)が変わりました。なんだか不評のようですが私はアレはアレでありかなと思っています。他の視聴者さんたちのご意見を読んでいると、酒井ミキオがいいだのsee-sawがいいだのFictionJunctionYUUKAがいいだの.hackでも見とけ!と思うようなものが多くて…どうしても新作アニメに既存のなにかを当てはめないと満足できないのかなあ。なんだかもったいないね。(文中敬称略)