Sea of Tranquility

しずかのうみ

フレーゲ・デデキント・ペアノを読む

 

 また数学の本を読みました。

と言っても、ここに出てくる数学者たちは、数理の視点から構築された論理学の先駆けであったり、分析哲学の基礎を確立した人であったり、哲学や論理学とも縁の深い業績を残しています。

数学に対する興味から手に取ったのですが、結果として自分がこれから勉強していこうと思っている分野に関する知見が少し深まったような気がします。

 

著者の足立先生は早稲田大学で長く研究された方ですが、この本は「数学セミナー」という数学誌に寄稿されたものをまとめてあるので、初学者にもわかりやすいように、公理系や自然数などの用語に関しても詳しく書いてくださっています。

数学史についても、興味深いエピソードが紹介されていて、もう少し勉強してみたくなりました。個人的には、フレーゲヒルベルトの往復書簡集を読んでみたい〜。

フレーゲは数学だけを一つの世界として閉じ込めるのではなく、語の意味と名前の関係といった、哲学的な、一般的な論理の世界を考察している(だからこそ分析哲学の祖と呼ばれているのだろう).

 

あまりに哲学的な問題は切り離さないと形式化ができなくなるということを(失敗という形で)あからさまにしたという意味で、フレーゲは最大限の功績を認められるべきだと思う.

 

分析哲学はちょっと難しそうすぎるんですが、フレーゲからのウィトゲンシュタイン、ラッセル、クワイン、でクリプキくらいまでに至る系譜はいつかは辿らないといけないなあと思っているので、もう少し勉強を進めてからまた戻ってこようかと思います。