Sea of Tranquility

しずかのうみ

ファンタスティック・プラネット

大学のサークルのLINEグループで「映画の券が余っちゃったんだけど誰か行かない?」という告知がされていまして。どんな映画かしら?と思ったら


La planète sauvage (1973) - trailer

ファンタスティック・プラネット』!

1973年にフランスで公開されたアニメーション映画です。

最初に学生だった頃(?)に、おそらく最初のリバイバルブームが来ていたんですよねえ。懐かしい。そしてこの懐かしい作品を現役の、20代の学生さんが観に行くっていうのが感慨深いですね〜。ああ、年がバレる発言…。

というわけで、ご厚意に甘えて余ったチケットを譲ってもらい、急遽観てきました。12月10日まで渋谷のHUMAXシネマで一日2回上映されています。

www.humax-cinema.co.jp

ジャンルとしてはSF、ファンタジーになるのかな。サイケデリックな色調の異世界に住む異世界人の生態が描かれていますが、不思議な異世界の生物の中になぜか人間も野生で生きていて、小さな子供が虫や動物をいじめるような感覚で異世界人からおもちゃのように扱われています。首輪をつけられて家で飼われて、人間同士を戦わせられたり、私達も動物をこんなふうに扱っているよなあ、と自省的になってしまいますね。

しかしなんだかんだ異世界人が、頭部にだけやたら特徴が集中している割にはヒューマンボディから大きく逸脱できないところが人間の想像力の限界なのかな。でも設定にはもっと奥深いものがありそう(ヒューマンボディでないと整合性が取れない伏線とか。物語のラスト近くでちょっとそれを示唆するようなシーンもあったような)。

初見の時にはあまり目につかなかった部分が今回はよくわかりました。ていうか、ストーリーあったんだね…。ちょっと原作も読んでみたくなったんだけど、これきっと未訳だよね。

どういうところに今回は着目できたかといいますと

・教育の大切さ

・自然の残酷さ

・生まれつきの身体能力がその後の人生をよくも悪くも決めてしまうなあ

・毎日の瞑想(という名の昼寝?)は必須

というところでしょうか。教育と昼寝はほんとうに大事ですね。

あと、フランス人ってどんな状況でもセックスだけはちゃんとするのねえ。

青い肌の異世界人に支配される人間たちの中にも、高等人種と野蛮人種みたいな階層ができていたのも印象的でした。