Sea of Tranquility

しずかのうみ

このところキングづいています。 

ミスト 短編傑作選 (文春文庫)
 

 とはいえそんなに気持ちと時間に余裕があるわけではないので、短編集の中から映画化もされた「霧」だけ読みました。残りもそのうち読むけど。

例によって映画も観るつもりですが、私はまた失敗したかも。キングは先に映画を観てから原作を読んだ方がたぶんいいです。私にとっては。

特にこのところ映像化にあたり結末を改変したものを立て続けに読んだので、「あー、先に映画観ておけばよかった」と思うことしきりです。『シャイニング』だって映画が先だったからことさらに原作が面白く感じたのかもしれません。

ネタバレはしませんが、というか、結局なにが原因でこんなことになったのかがわからないのでネタバレも何もないんですが、キングって女性の扱い雑な作家だったっけ?あれ?というのが読後すぐに思ったことでした。

主人公は男性で、作中で積極的に対話しわかりあえたりわかりあえなかったりして人間関係の軋轢を感じる相手はすべて男性。作品世界の中に男性コミュニティができていました。女性はステレオタイプな女性として描かれていて、彼女たちの内面は描写されません。では女性には性格や個性はないのか?というとそうでもなくて、意外な場面で意外な活躍をしたり、余計な行動に出たりします。ただ「よくわからない」存在、一定のインプットをすると想定内のアウトプットが返ってくる機械という描写でした。

非常事態になると男女は対等になれなくなるのかなあ。

作戦会議に参加するでもなく銃後の守りに徹して、ちょっと主人公とイイコトしちゃったりして、ああなんか都合のいい存在…でも突然ものすごいタフネスを発揮したり…なんなんだろう、キングの理想像かなあ。

霧の中の「何か」にも増して未知な存在の女性たちはうかつなこともやらかさない。(わざと場を引っかき回す人はいるけど) 要するにストーリーに関与しない。そんなところが気になりました。とはいえ怖い。夜中に読み終わったのは失敗だった。

今度の休日に映画観ます(配信サイトで)!