Sea of Tranquility

しずかのうみ

ライプニッツ

先日、駒場ライプニッツ研究者の卵さんの発表を聴いて以来興味がわいたので、いきなり難しいものには挑戦せずにまずは伝記っぽいのから読んでみました。その前から数学史の本では読んでいたんだけど、哲学者としてのライプニッツにちゃんと触れるのは初めてです。

生涯独身で、若くして頭髪が微妙になっちゃって、流行遅れの鬘をつけて、服装もいまいち垢抜けなかったライプニッツ

すごく多才なのに、すごく多才だから、自分のやりたいことよりも人から頼まれたことをやってしまい、でもそれを途中で放置して旅に出ちゃって怒られたり、口下手で引っ込み思案だったから遣り手の人から出し抜かれたり(ニュートンとかね!)、その割に宮廷に住む王族や貴族の奥様と文通したり、面白い人でした。

彼が手がけた分野は、数学、論理学、哲学、形而上学は言うに及ばず、法学、工学、倫理学、史学など多岐にわたります。中国、ロシアの当時の情勢にも首を突っ込んでいました。(ロシアの方はそこまで詳しくもなかったようですが、ロシア国内に役職までもらっていたみたいです)

当時ドイツ語は学問に使える言語ではないという認識で、学のある人たちはフランス語やラテン語を使っていましたが、ライプニッツはドイツ語のよさ?も見直そうよ!と教科書みたいな本を書いたり、とあるお貴族様が本当に高貴な血統なことを証明するためにあちこち駆け回って証拠を見つけ出し、その家系史の分厚い本を書いたり、フィールドワークっぽいこともやっていました。でも要領がよくなくて、時々お給料もらえない生活に突入したりしています。

私は最近になって、ライプニッツが系統立ててちゃんと構築した微積分のすごさがちょっとわかってきました。形而上学の方でも存在感が際立っている人なので、これからも少しずつ著作に触れていきたいなーと思っています。この本はライプニッツの生涯を概観するにはおすすめですよ〜。

 

ライプニッツ (Century Books―人と思想)

ライプニッツ (Century Books―人と思想)